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2005/03/06

オロナインの思い出 2

で、続き。

鍵を開けてくれた先生は、しかし、そこではただの
オヤジでしかなかった。どこになにがあるのかも
わからない。
 それでも、保健の先生の机の上には普段よく使う
消毒薬などは出してあったので、オヤジ先生は、
その中から消毒薬を選び出し、中学生の私から見ても
あぶなっかしい手つきで消毒をし、それから、オロナイン
軟膏のビンをみつけだし、
「おお、これがあるか」
と、安心したような声で私を不安にさせた。そして。
 オロナインを私の親指に塗った。
 傷は深かった。
 先生は躊躇せず、私の傷をオロナインで塗り込めた。

オロナインといえば、お母さんの優しさ、である。
 私の中での位置づけは「あかぎれ、しもやけ、手あれ」に
オロナイン、のオロナインである。
 更に不安を確定させるように、先生はオロナインをたっぷり
ぬりつけたガーゼを傷口にあてがい包帯でそれを私の指に固定させた。
どうも、器用ではないようだったが、先生は包帯が「はずれない」
ように、「しっかり」まきつけた。
私と友人は先生にお礼をいい、家に帰った。
帰宅し、ぐるぐるまきの右手を母に見せると、母は救急箱
からオロナインを取り出し、
「大丈夫でしょ。ほら、ここ(効能書)に、きず、って書いてある」
と、私に見せた。たしかに、書いてあった。
 学校も母親も、おおらかだったのか、その話はそれでおしまい。
 今とは違って、先生は間違ったことを(そうは)しない、と
思われていた時代でもあった。
だいいち、しばらくキズアトは残ったものの、その手当で傷は完治した。
 オロナインってすごい、という思いは私の中に根強く残った。

昨日、私は大根といっしょに右手中指をスライサーでそいでしまった。
消毒後、わたしはオロナインを塗り込んだ。
中学校の保健室の情景が思い出された。

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