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2005/09/30

ぺとぺとさん 最終回直前!特別解説「明け烏」

 なんか、連続ドラマの総集編みたいですが、結構本家落語の「明け烏」をご存じない方もいらっしゃるようなので、かんたーんな、しかしジェレミーが言ってたのよりは本物に近い感じで探ってみましょう、と。なので、落語好きな方はこっから先はスルーしてお通り下さい

 えー、江戸時代には吉原という、殿方達にはとても結構なお遊び場があったということで……というようなマクラで噺ははじまります。

 江戸のとある大店の若だんな、まじめ一方。信心深く、商売熱心なのはいいけれど、硬すぎるのが大旦那さんの悩みのタネ。なにしろ、女性遊びで吉原にくり出すのは町内のおつきあい、商売上のおつきあいにも必要な時代。お妾さんがいるのだって他をきちんと収めていれば「甲斐性」と捉えられていた時代のおはなしです。
 大旦那、一計を案じて、町内の遊び人3人に声をかけます。
「観音様におこもり(泊まり掛けでおまいり)に行くってことで息子を誘い出して、吉原で一晩遊ばせてやってくれまいか。今晩の遊び代は持ってあげるから」
 これ、ノらないテはありませんね。今のストレートに「それだけ」な風俗店とちがって、昔の吉原できちんと遊ぶにはそれ相応、かなりのお金がかかったわけです。
 まず、お茶やで飲む、食べる、芸者をあげて遊ぶ。この芸者さんは芸を披露するだけで夜のお相手じゃありません。で、ここにお女郎さん、花魁さんを斡旋してもらったりするわけです。なので、ここでの飲食代、芸者、幇間、若い衆、女将さんなどへのご祝儀などがかかります。もちろんご祝儀ははずんだほうが良い花魁を紹介してくれたり、無理を通してもらったり、次回からの待遇も違ってくるわけです。
 そして、女郎やさんでまた一杯。そしてやっと、女郎さんと、えーと、仲良くなれたりなれなかったりするわけです。上等のおいらんだと、1回めだと「顔を見せるだけ」だった時代もあったようです。3回ほど通わなければ、相手にもしてもらえない。時代が下るにつれ、それもどんどん簡略化されたようですが。

 さて、だまされて連れ出された若旦那、途中でやっと吉原へ連れてこられたことがわかります。
「私は帰ります」
「いや、大門では門番がいて、人数を数えていて、頭数が揃ってないと帰してくれないし、門番に責められてて大変なことになる」
と、おどされ、いやいやですが、まあ、お金の威力かどうか、初回から上等の花魁をつけてもらって、花魁も花代をはずんでもらったのか、それとも若旦那が気に入ったのか、大サービスしてくれます。

 「カラス カァで夜が明けて」……江戸落語では一晩すぎましたよ、という表現がコレです。他の落語でもちょくちょく使われる表現ですが、この噺のお題はここからでしょう、「明け烏」とついてます。

 さて、翌朝。
 どうも昨夜はお女郎さんにふられたらしい遊び人3人組。
(当時、とくに関東では廻しというシステムがあって、一人のお女郎さんが一晩で何人ものお客をとるんですね。で、そのお客さんのお部屋に顔を見せににくわけですが、その中で、当然、結局何もしないで帰らされるお客、ってのもいたわけです。でも、お客はそこで怒ったりしたらイキじゃない、といってカッコがつかないんで、お金は払って、ただただ吉原の宿で睡眠するだけ、素泊まりで家路につくんです)
 しょうがないんで、まあ、みんな身支度して帰ろうとして若旦那のいる花魁の部屋の前で声をかけます。
「若旦那、帰りましょう」
と言われます。んでも、もうね、今までがマジメ一徹だっただけに、熟練の花魁の手練手管にすっかりフヌケにされちゃった若旦那、もう帰りたくありません。デビューが遅いとハマりやすいってのは現代でもいっしょですね。

「私は帰ろうと思うのだが、花魁が手を握って離してくれない」
とか言って、なかなか帰るといいません。
(元々はもっとえっちい表現だったようです。花魁の足が私にからみついて…とか、更にもっとあからさまな表現だったりもしたようです)
 「しょうがないなあ。じゃ、私たちだけ先に帰りますよ」
という3人に、若だんな、
「いや、お前たちも帰れまい。私がいなくては(人数が揃わないから)大門で止められる

てけてんてん。

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